南アルプスでの活動4(5月2-3日)

地域の共有資源としての森林の保全と持続可能な利用(ワーク5)

昨年度に引き続き、南アルプスにある十山株式会社の社有林においてフィールドワークを実施しました。本活動は春と秋の年2回実施しており、今回は春季活動として行いました。

まず、4月23日に静岡大学において事前学習会を実施しました。学習会では、十山株式会社の事業内容や南アルプス地域の自然・地形について紹介を受けた後、これまでコラボラティブワークスで取り組んできた活動内容について、3年生から2年生へ共有を行いました。さらに、5月に実施する現地活動について説明を受けた後、グループワークを行い、活動の目的や課題について考えました(写真1)。今回は「環境保全は当たり前」の社会に備えることをテーマとし、森林環境や登山道整備、鹿被害への対策について学ぶことを目的としました。

【写真1】 グループワークの様子(事前学習会)

5月2日-3日にかけて南アルプスのフィールドに行き、現地活動を行いました。道中では井川ビジターセンターを訪れ、井川地域の歴史や地形、自然環境について学習しました。現地到着後、午後からは登山道整備を予定している鳥森山へ登山しながら、現在の登山道が抱える問題点について観察を行いました。参加学生は、「自然面」「安全面」「利用面」という3つの観点に分けて、気づいた点を観察シートに記録しながら散策を行いました。夕食後には、各自が記録した観察内容をもとにグループごとで議論を行い、翌日に実施する登山道整備の計画を立案しました(写真2)。今回は株式会社山屋様にも活動へ参加いただき、登山道整備に必要な技術や考え方について講義をしていただきました。実際の現場で活動されている方から直接指導を受けることで、登山道整備に対する理解をより深める機会となりました。
翌日は朝から実際の登山道整備を行いました。今回は問題があると判断された2か所を対象とし、1か所目では土砂流入が激しい場所の木道の付け替えを行い、2か所目では崩れて穴ができた登山道を、周囲の資材を利用して補修しました(写真3)。学生たちは2グループに分かれ、山屋の方々の指導のもと約3時間にわたり作業を進めました。活動の中では、「水の流れを考える」という視点が繰り返し強調されていました。単に壊れた場所を修復するのではなく、水や土砂の流れを考慮しながら整備することで、自然環境の中で登山道を長く維持できることを学びました。また、作業では「しがら」と呼ばれる構造を作成しました。枝や木材を組み合わせて土砂の流出を防ぐもので、学生たちは協力しながら設置作業を行いました。
今回のフィールドワークを通じて、「自然を守りながら利用する」という考え方のもと、環境保全と人の活動を両立させていくことの大切さについて理解を深めました。また、登山道のような森林環境を維持していくためには、適切な管理体制を整え、管理者を明確にしたうえで、継続的に活動していくことが重要であることを実感する機会となりました。

【写真2】 登山道の状況を整理している様子
【写真3】 登山道整備の作業の様子
【写真4】集合写真

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