私たちが暮らす現代社会には、地球規模の課題である気候変動、災害の激甚化、紛争・差別、貧困・格差、地域社会の重要課題である地方創生や地域活性化、人口減少や高齢化など多くの課題があります。これらの社会課題は、互いに影響し合ってますます複雑になり、解決が難しくなっているという特徴があります。一つの学問分野の狭い専門的知識だけでは、解決が困難なものばかりなのです。
複雑化する社会課題を乗り越え、持続可能で安全な社会、誰もが尊厳をもって豊かに幸福に暮らせる社会を実現するには、学生各自が一つの学問領域の専門性を深める従来のタイプの大学教育では限界があるのではないか・・・。そんな想いから、グローバル共創科学部は生まれました。
グローバル共創科学部では、社会課題に関心を持つ学生が、複眼的な観点から考察し、立場や価値観が異なる人々と協働し、多様な知を結び付けて課題解決のため構想ができるようになることを目指します。
そのために、文理の垣根を超えた幅広い基礎的知識を学び、課題解決に必要な専門的知識をつないで社会へ活用できる洞察力を養います。現場に入り込んで主体的に課題解決に取り組むことができる行動力、立場や価値観が異なる他者と粘り強く対話し共に課題解決を導くことができるコミュニケーション力、グローバルな課題とローカルな課題を結び付けて考察する力、エビデンスに基づいて客観的に社会を分析するデータサイエンスの活用力を身に付けることをめざします。
そのために、静岡大学がこれまで培ってきた教育や研究の資源をフルに活用します。海外研修、英語科目、データサイエンス、フィールドワークなど本学部独自のユニークな教育プログラムを用意しています。そして、色んな角度や視点から課題にアプローチできるよう、多彩な専門性を備えた教員がいます。
現代の社会課題を解決するための答えは容易には得られません。だからこそ、チャレンジしましょう。これからの時代の新たな学びを、みなさんと共に切り拓いていくことを楽しみにしています。
グローバル共創科学部長 池田 恵子