(令和5年3月末時点)
グローバル共創科学部について
A 複雑で多様化した現代の社会的課題の解決に向け、幅広い分野を学び、多様な人々と協働できるカリキュラムを提供しているところです。
4年間で学ぶことを大枠で示すと次のようになります。
1. 人文・社会科学から自然科学まで幅広く学ぶ。
2. スピーキングを中心とした英語科目、海外研修、フィールドワークなど、実践型・体験型の学習を通じて学ぶ。
3. データサイエンスの発展的な内容を学ぶ。
4. コース専門教育を通じて、自ら社会的課題に取り組む。
A 学部名の「グローバル」には、
1 地球規模の視点から社会的課題に取り組むこと
2 国際社会で主体的に活躍できること
の二つの意味があります。
本学部が対象とする社会的課題は、地球規模の問題として発生しており、いずれの場で問題解決に取り組むにせよ、地球規模の視点から社会課題に取り組むことが求められています。
そのため本学部で育成する人材は、①の意味でグローバルな人材である必要があります。
さらに、課題解決にあたっては、国際的な場での共創を通じて問題解決を要することも多いため、外国語(特に英語)の修得はもちろん、価値観や背景の異なる人々と協働できる能力が必要です。
そのため、2の意味でグローバルな人材の育成も目的としています。
A 「共創」とは、多様な立場の人々が共に社会課題を解決し、より良い未来社会を実現することです。
従来型の学部では、工学、理学、農学、法学、経済学、文学など特定の専門分野を掘り下げ専門知を獲得することで、課題解決を目指してきました。
しかし現在、一つの視点、一つの専門的見地から問題を考えるだけでは問題解決には至らないケースが増え、多様な視点、多様な専門分野から物事を考え、多様な知を結びつけ問題解決することが求められています。
そこで本学部では、「共創」という手法を用いることができる人材、すなわち多様な人々の協働の下、人文・社会科学から自然科学に至る広汎な知をつなぎ、複眼的観点から社会課題を捉え未来社会を構想できる人材を育成することを目的とします。
A 「総合知」とは、共創のプロセスにおいて、人文・社会科学、自然科学等の俯瞰的、複眼的視点から総合的に検討する中で、課題解決のために生み出される知のことです。
A 本学部は、文系、理系いずれの要素も含みます。文系学部や理系学部では、学部教育においてそれぞれ文系の学問、理系の学問を学び、専門性を高めることに重点を置いています。しかし、グローバルな視点から、他の専門分野の人を含むさまざまな人と一緒に社会的課題に取り組む共創型人材には、文系・理系に関わりなく一定の知識が求められます。そのため本学部では、人文・社会科学から自然科学までの幅広い知識を身につけるための教育カリキュラムを提供しています。
なお、3年生以降のコースの専門教育を受ける際には、人文・社会科学や自然科学の中から自分の専門分野を選び、卒業論文をまとめていくことになりますが、その際にも、自分の専門に閉じこもることなく、幅広い視点から研究を進めるための指導が行われます。
A 地域創造学環は、全学学士課程横断型教育プログラムとして、新たな地域社会の創造に貢献できる人材の育成を目的として平成28年度からスタートした制度であり、静岡大学全体の教育研究資源を活用した大学教育の新たな試みでした。
本学部は、地域創造学環を発展的に取り込み、既存の6学部や地域創造学環の実績を踏まえつつ、そこでは代替しえない「総合知」を涵養する新たな高度教育を目指すものです。
本学部が特に力を入れているのが、複眼的視点を中心とする「総合知」です。今日、社会的課題は複雑多様化し、従来の学問的枠組に基づいた知識、技術、発想によってのみでは解決困難になっています。持続可能な発展や持続可能性の実現には、自然科学、人文・社会科学、芸術、健康科学などを視野に入れた複眼的な観点からの検討が必要です。その中でも特に、地域創造学環には不足していた要素として本学部が力を入れるのが、グローバルな要素であり、人口減少下の地域の未来を構想していくためには、この要素を取り込んでいくことが求められます。
A 本学部は文理融合学部ということで、様々な専門分野の教員が所属します。
法学、経済学、心理学、社会学、哲学、防災学、人間情報学、デザイン学、環境創成学、科学社会学、健康・スポーツ学、人類学、芸術学、生物学、物理学、農芸化学、環境科学、ゲノム科学、材料工学、建築学等、多岐に及びます。各先生の詳細は【教員紹介】を参照してください。
A 学士(学術)の学位が授与されます。
A 以下の民間資格を学部在学中に取得できます。いずれも卒業要件とはしていません。
①コーチングアシスタント(日本スポーツ協会公認)
指定する科目の履修とオンラインによる検定試験を受験
②公認スポーツ指導者資格(日本スポーツ協会公認)
指定する科目の履修とオンラインによる検定試験を受験
※資格取得のためには、別途、講習会を受講することが必要
③自然再生士補
指定する科目の履修が必要
④環境再生医(初級)
指定する科目の履修が必要
これらの資格取得に関する情報は、新学部の履修案内の中で明記するとともに、ガイダンスや学びのアドバイザーの指導を通して学生に周知します。
なお、教員免許は取ることができません。
授業について
A 学生が自分の関心のある対象先やテーマを選択し、静岡県の自治体、企業、NPO、地域住民などの多様な人々と協働し、社会的課題を発見・探求し、解決を構想するプロセスを体験的に学び、多様な人々と協働する際に必要なコミュニケーション能力を修得できる内容を行います。連携先については、これまで地域創造学環や農学部が連携してきたステークホルダーの一部との関係を引き続き継続するほか、本学部を中心に他学部の教員の協力・連携により、新たな連携先を開拓する予定です。
【授業科目名】
・「コラボラティブ・アプローチ基礎演習」(1年後期、必修、2単位)
・「コラボラティブ・ワークスI~IV」(2~3年、選択、各1単位)
・「コミュニティサービスラーニング」(2年後期)
A 原則、大部分の講義は対面形式の講義としますが、オンライン形式の方が教育効果が認められる一部の講義はオンライン形式とする場合もあります。
オンライン授業科目は、本学の学則上、学士課程については、卒業に必要な最低修得単位数の単位数124 単位のうち、60 単位まで履修可能ですが、当面の間、卒業に必要な最低修得単位数の約3分の1程度の単位数となる40 単位までを各学生が履修可能な単位数の上限とする措置を取っています。
※今後、新型コロナウイルス感染症の感染状況により、この措置は変更になる可能性があります。
A 学生一人ひとりに専任教員が学びのアドバイザーとなり、以下の項目を中心に、履修計画から学生生活全般に至る内容について、年4回個別面談を行います。
①履修登録に関する事項
②履修モデル構築に関する事項
③学修の進め方に関する事項
④コース分属に関する事項
⑤研究室配属に関する事項
⑥進路・就職等に関する事項
⑦学籍異動(休学、退学等)に関する事項
⑧成績不振学生への助言や指導
⑨大学生活についての相談 等
A 入学前後のリメディアル教育を導入しており、大学で教育を受けるにあたって支障を生じさせないようにします。
入学後の学部共通科目(データサイエンス系科目、自然科学系科目等)への円滑な接続を図るため、
〇希望者(学びのアドバイザーからの履修指導を受けた学生を含む)に対してリメディアル教育を 実施します。
〇正規授業外に補習講義①「統計数学入門」(30 時間・前期1 コマ)及び②「化学・生物入門」(30 時間・前期1 コマ)を開設します。
〇学修支援担当者として、教員(非常勤講師)2名、及び大学院生(ティーチングアシスタント)を充てる予定です。学修支援担当者は、学びのアドバイザーと学修の状況を共有し、学びの深度に応じて補習授業等を検討します。
なお、文系科目はリメディアル教育を準備しておりませんが、必要に応じて、各講義担当教員による補習講義も実施します。
A 教養科目内の英語の授業や、コミュニケーションを中心とした学部の必修科目を受講するとともに、短期の海外研修プログラムに参加することにより、リーディング、リスニング、ライティング、スピーキングの英語4技能を全員がバランスよく身に付けることを目的としています。
さらに、海外の大学院への進学や国際企業で活躍を実現する英語力を身につけたい学生については、3 年次後期に開講される英語の選択科目や長期の海外研修プログラムへ参加することにより、CEFRのB2レベルの高度な英語力を身につけることを目標として設定しています。CEFR B2は、ビジネスの場でも円滑な意思疎通ができる英語レベルの基準として広く用いられています。
コースについて
A コースへの分属は3年次前期からです。
A 必ず希望のコースに分属されるという保証はありませんが、コース所属学生数は30~50 名と幅を持たせており、学生の希望を最大限尊重する予定です。
A 他コースの授業は自由に受講可能です。
A 可能です。ただし、「希望していたコースとは異なる」という理由だけでコースを変更することは認めません。コースで学ぶ中で、転コースした方がより適切な指導を受けられる場合などが想定されます。転コースについては、学びのアドバイザーが当該学生と十分相談の上で決定します。
A 入試の時点で、入学後のコースを決定しておく必要はありません。また、入試の合否判定において、コース希望の如何が問われることは一切ありません。コースについては、皆さんが入学後に様々な学習を深める中で焦点を定めていければと思います。ただし、受験の段階で本学部のこと(特に、3つのコースの目指すことやカリキュラムの特徴)をよく確認した上で受験されることをお勧めします。
留学について
A 海外研修プログラムは、主に海外の大学や語学学校への留学(オンライン留学含む)や協定校などへの交換留学を指します。
必修ではありませんが、本学部では、語学スキル、異文化理解、国際感覚の育成を重視していることから、海外研修プログラムI(1・2年次、2週間程度)は全ての学生が履修することを推奨しています。海外研修プログラムII(3年次以降)は、学生が希望に応じて履修します。
静岡大学国際連携推進機構が実施している留学プログラムを活用する他、今後、各コースの専門性に応じた短期研究室派遣など独自の留学プログラムや、課題解決を現場で担っている団体(政府、民間)での研修プログラムの検討も進めて、派遣先を充実させていく予定です。
A いくつかの奨学金(給付型・貸与型)がありますが、いずれも人数制限があり、選考を経て受給者が決められます。
静岡大学独自の制度として、静岡大学国際交流基金は、大学間・部局間交流協定に基づく交換留学の派遣学生に対して、月額4万円を支給します。未来創成基金は、アジアの大学に派遣される交換留学生に準備金として25万円を支給します。
政府の支援制度として、日本学生支援機構(JASSO)の海外留学支援制度(協定派遣)があります(年度によって静岡大学が対象とならないこともあります)。派遣先によって月額6万~10万円が支給されます。
このほか、民間団体や、外国政府、地方自治体(静岡市など)が、様々な給付型・貸与型の留学生奨学金の制度を提供しています。
これらは、長期留学向けの支援制度であり、短期留学向けの経費面の支援については、その必要があるかを含め、現在検討中です。
A 海外研修プログラムには、短期(2週間~3週間程度)のものと長期のもの(半年~1年)があり、短期プログラムであれば基本的に影響はありません。
長期プログラムについては、留学に行く時期、学部での単位履修状況等の状況次第で、半年まで休学せずに行ける可能性があります。ただし、あくまでも可能性ですので、海外研修のためのガイダンスへ参加するとともに、学びのアドバイザーと相談する必要があります。
A 本学部の海外研修プログラムには、短期(2週間~3週間程度)のものと長期(半年~1年)のものがあり、留学先もそれぞれ異なります。
短期の留学先は、アメリカ、フランス、カナダ、イギリス、韓国、中国の大学等を予定しています。
(例:アメリカ-ネブラスカ大学オマハ校、カナダ-アルバータ大学、韓国-朝鮮大学校)
長期の留学先は、静岡大学が大学間交流協定を結んでいる26か国60の大学等を予定しています。
(例:アメリカ-ネブラスカ大学オマハ校、ドイツ-ヴッパタール大学、ルーマニア-アレクサンドル・イワン・クザ大学)
なお、短期のオンライン研修プログラムもあります。
(例:カナダ・アルバータ大学春季オンライン短期プログラム)
学生生活について
A 学費は、年間535,800円(半期267,900円)です。※学部(昼間)の場合
詳しくは、大学WEBページ
【授業料等一覧】
をご覧ください。
学生募集要項にも記載がありますので、ご確認ください。
(参考)入学料:282,000円、検定料:17,000円
A 奨学金は、日本学生支援機構奨学金の他に、地方公共団体、教育委員会及び民間の企業・財団が運営する
奨学金があります。詳細は、大学WEBページ
【授業料・奨学金】
をご確認ください。
また、学生募集要項にも記載がありますのでご確認ください。
A 令和7年度以降、静岡キャンパスの学生寮(片山寮)は募集停止予定です。
詳しくは、大学WEBページ
【学寮紹介】
をご覧ください。
A 入学して直ぐに必要とはなりませんが、3年次進級までに、以下のスペック(Windows 10, 11、メモリ8GB 以上、SSD240GB 以上(HDD も可))を有するPCを購入する必要があります。なお、Macintoshの使用については自己責任で使用を認めています。
A 留学生との共修科目(グローバル・アジア特別教育プログラムなど)があります。
また、留学生交流ラウンジなどのイベントが開催されています。留学生チューター制度(留学生が来日した直後の期間、日本人学生が支援する制度)も、外国人留学生とのコミュニケーションをとる機会の一つです。
A 学生は、教養科目が開講される共通教育棟を中心に、講義・演習等を受けることになります。令和5年4月の開設時点では、専用の講義棟はありませんが、グローバル共創科学部の学生が使用するスペースについて、現在、調整しています。
入試について
(詳細は学生募集要項等をご確認ください)
A 講義(45分程度)を受講して、その内容及び資料を題材とした課題について論述(筆記)してもらいます。なお講義の内容の一部には英語コミュニケーションを含みます。
聴講・論述試験では、文系・理系の基礎学力、思考力、発想力等について判断します。
これらは、「総合型選抜学生募集要項」に記載されています。
なお、特に準備しておくことはありません。
A 「自己推薦書」、「志望書」は、どちらも全学部共通の書式であり、静岡大学のウェブサイトよりダウンロードできます。「活動歴報告書」は、グローバル共創科学部独自の書式です。注意事項をよく確認した上で作成してください。「自己推薦書」の記述内容と重なりますが、より具体的に記入してください。
報告書の記載内容は面接試験にて考慮されます。皆さんの強みを大いにアピールしてください。なお、印刷については、片面印刷、両面印刷のどちらでも構いません。
A 第一段階選抜は行いません。
A 「活動歴報告書」は総合的な判定の基礎資料として用いるものであり、それ自体のみで評価するものではありません。
A 活動歴報告書のスペースの使い方は自由であり、図や写真を貼付しても構いません。また、印刷については、片面印刷、両面印刷のどちらでも構いません。
A 「スポーツ」については、充分に学ぶ体制を整えています。スポーツについても、未来社会を考える上で人間一人ひとりのウェルビーイングをグローバルな視点で考えることが不可欠であることから、理系的要素も補強し、最先端技術と人間・身体の融合をメインテーマとしています。専門科目には、『運動生理学』『コーチ学』『スポーツ経営学』などがあるほか、融合科目も複数用意されており、理論系の講義から実技系の実習・演習など多彩にわたっています。また、資格取得にも注力し、日本スポーツ協会公認の指導者資格を取得できるよう準備を進めています。
また、「アート」については、未来社会の構想という学部理念に基づき、アートやデザインの理論系を中心に学ぶことで、様々な分野におけるイノベーション創出の基礎(土台)を築くことをテーマにしています。『アートシンキング・デザインシンキング』『アート・デザインコミュニケーション』といった科目では、政治・社会・文学・メディア・哲学などの領域横断的な知見を加え、問題・課題の本質的理解と分析、イノベーションのための思考・発想力を養います。
A ・令和6年度入学者選抜に関する要項のP81
(大学入学共通テストを課さない総合型選抜のページ 総合Ⅰ- 10/10に記載)
・令和6年度総合型選抜学生募集要項のP25
(大学入学共通テストを課さない総合型選抜のページ 1-(15)に記載)
に記載しています。
A 面接の内容に関する詳細はお伝えすることができませんが、募集要項に記載されている観点で評価されることを念頭に置いてください。
就職について
A 本学の就職支援室では、就職ガイダンス、就職相談、求人情報の提供などを行っています。また、生活協同組合が開講する公務員講座(有料)を開講しています。なお、本学部としての就職支援体制については、今後検討していきます。
A 新学部で身につけることを目指す資質・能力・知識は、これからの時代に社会人として特に求められているものと合致します。
日本を代表する企業に対して「採用の観点から、大卒者に特に期待する資質・能力・知識」を尋ねた調査(2021年10月実施)によると、特に期待する資質では、回答企業の約8割が「主体性」(1位)、「チームワーク・リーダーシップ・協調性」(2位)を挙げています。
また、特に期待する能力の1位は「課題設定・解決能力」です。これらの資質・能力は、多様な立場の人々が共に社会課題を解決し、より良い未来社会を実現する「共創」によって培われるものです。
また、特に期待する知識として、「文系・理系の枠を超えた知識・教養」が最も多く(85%の企業が重視)、「専攻分野における基礎知識」(同76%)、「専攻分野における専門知識」(同62%)を上回っています。
出典:日本経済団体連合会、『採用と大学改革への期待に関するアンケート結果』 2022年1月