今回は沼津信用金庫さんのアレンジで、伊豆の国市にある伊豆長岡学園という児童養護施設の中高生8名が大平の古民家を訪れ、交流を行いました。児童養護施設には諸事情により保護者と一緒に生活できない2歳から18歳までの児童が生活をおくっています。伊豆長岡学園で生活する児童たちは地元の小中学校、高校に通い、18歳で卒園した後は多くが地元に残り就職、進学するそうです。先日、施設を訪問する機会があり、先生方と交流した際には、「高校の壁」、「18歳の壁」など、私たちが普通に生きているうえで想像できないような様々な壁があるというお話がありました。私自身も実際に児童たちと顔を合わせるのは初めてでしたし、学生たちにとっても初めての経験でしたが、中高生とどのように交流しようかそれぞれ考えているようでした。
古民家「まるのば」は6月のお披露目会を機に、基本的に週末は場所を開放しており、これまで大平住民の人たちがぽつぽつ訪ねてくれています。今回は大学生が来る!ということで、朝10時には子供連れのおばあちゃんがまずは訪ねてくれました。それからまた別の家族も合流し、朝から賑やかでした。

お昼前ごろに児童養護施設の生徒さんと先生たちがいらっしゃり、それぞれ小グループに分かれ、カードゲームをしたり、おしゃべりをしたり、一緒にクッキーをつくったり、思い思いに時間を過ごしました。

近所の人から大きなスイカの差し入れがあり、30名でも食べきれないほどでした。お昼ご飯は沼津信用金庫さんからご提供いただきました。
今回は第一回目ということで、お互い初めてのことで緊張もあったと思います。後日、学園の先生から連絡があり、参加した生徒さんたちがとても楽しく充実した時間をすごせたので、また企画してほしいという連絡がありました。うれしいです。
大学生からは以下のようなコメントがありました。
・児童養護施設の生徒さんが、昔のおもちゃ、クッキー作り、コーヒーを飲んでみるなどの普段はやらない体験を通して、貴重な経験ができたと言っており、新たな興味を持つきっかけに繋がったらいいなと思いました。
・今回の活動を通し、同世代だからこそ得られる視点を見出せました。遊びを通じた交流の大切さや、世代を超えた繋がりの場の重要性を実感し、古民家カフェの多世代的な価値を感じました。
・前半は大平の子どもたちと遊んでいたので、あまり児童養護施設の子たちと関われませんでした。しかし、途中から急に遊びに参加しても快く受け入れてくれて心の優しい子たちだなと感じました。また、中高生も楽しめる遊び道具があるとよいと思いました。
・前回のイベントでは小学生と多く関わったが、今回は中高生との関わり方に戸惑い、接し方が難しかったです。年齢によって適切な距離感や関わり方が異なることを実感し、学びの多い時間になりました。
・児童養護施設の生徒さんと弁当を一緒に食べるなどという貴重な経験をし、いろんな世代との交流の大切さを感じました。今あるもの以外にも中高生が楽しめるような遊びや道具も考えていきたいと思いました。
・前回の活動がイベントを行う場所としての古民家だとすると、今回の活動は居場所としての側面が強調されていたように感じます。交流を通じ、普段過ごしている空間とは違うけれども居心地のいい場所とは何か考えるきっかけになりました。
・私はクッキー作りをしたのだが、年代によって、興味・関心の向くことが大きく異なることを実感した。今回は、限られた学生たちとしか交流できなかったため、次の機会があれば、より積極的に話しかけたいと思う。
・私は子どもたちの保護者の方々ともお話ししていました。前回のイベントの時もそうでしたが、同じ子育て世代とリラックスできるおかげか本音が出やすいと思いました。こうしたコミュニケーションからの声を活かしていきたいです。
・私はクッキー作りを一緒にして、これまでの活動で関わってきた子どもたちと、今回の活動で関わった中高生の子たちでは、同じ関わり方では距離を縮めるのが難しいと感じ、どうすればもっと仲良くなれるか、早く打ち解けられるかを考える良いきっかけになりました。
・前回来てくれた方がまた来てくれていて、古民家がその方々の居場所になっているのだと思うと嬉しく感じました。今回はあまり生徒たちと関われなかったため、次回は積極的に交流していきたいです。
・中高生とは歳が近いからか話しやすかったですが、最初に話しかける時、話す内容にはすごく気を配りました。昔遊びは意外にも盛り上がり、また来たいと言ってくれたことでだんだんとみんなの居場所になってきてることを実感できました。
