現代社会は、気候変動、貧富の格差、地域社会の衰退など、複雑に絡み合うグローバルな課題に直面しています。これらの問題は、従来の学問分野の枠組みを超え、多様な視点と協働による解決策を必要としています。しかし、既存の大学教育では、専門分野の深化に重点が置かれがちで、複雑な社会問題を多角的に捉え、実践的な解決策を生み出す人材育成は十分とは言えません。
まさにこの現状を打破するため、静岡大学グローバル共創科学部は誕生しました。単なる専門知識の習得にとどまらず、社会課題解決に主体的に取り組む「共創型人材」の育成こそが、本学部の設立理念です。私たちは、既存の教育システムの限界を認識し、未来社会の創造に貢献できる人材育成を目指した、全く新しい教育プログラムを構築しました。
本学部の独自性:3つの柱
本学部の教育は、以下の3つの柱によって支えられています。
- 文理融合による多角的視点の涵養: 自然科学、人文社会科学、情報科学など、従来は分断されていた学問分野の垣根を越えたカリキュラムを展開。社会問題を多角的に分析し、複雑な問題の本質を見抜く力を養います。基礎的な知識を土台に、社会課題解決に直結する専門知識を習得することで、既存の枠にとらわれない独創的な解決策を生み出す力を育みます。
- 実践的学びを通じた問題解決能力の向上: 地域社会や国際社会でのフィールドワーク、短期・長期の海外留学プログラムなどを積極的に導入。教室の中にとどまらず、現実世界の課題に直接向き合い、多様な人々と協働しながら解決策を探求する経験を通して、実践的な問題解決能力、コミュニケーション能力、そしてグローバルな視点を養います。
- データサイエンスに基づく客観的分析能力の育成: データ分析スキルを習得し、社会問題を客観的に分析する能力を養います。エビデンスに基づいた政策立案や意思決定能力を身につけ、データに基づいた効果的な解決策を提案できる人材育成を目指します。
未来を担う人材育成への取り組み
本学部の教員陣は、それぞれの専門分野で高い知見を持つ、経験豊富な研究者・教育者で構成されています。学生一人ひとりの成長を丁寧にサポートし、多様な視点からの指導によって、潜在能力を最大限に引き出します。 学生が自身の可能性を広げ、何をしたいのか、何ができるのかを発見していくことを重視し、様々な人々との出会いと交流を通して、主体的に未来を創造できる人材育成を目指しています。
静岡大学グローバル共創科学部は、単なる知識の伝達機関ではなく、未来社会の課題解決に貢献できる人材を育成する、新たな知の創造拠点です。 私たちと共に、未来社会を創造していきましょう。
グローバル共創科学部長 江口 昌克