研究紹介
国際移動とジェンダー
日本に来る、在住している移民女性、特に家事・介護の仕事をしている移民女性たちの移動の制度と実態、社会的課題をジェンダーの視点から研究しています。1980年代から国際移民の半数は女性になり、日本もその傾向がありますが、他の受入れ諸国とどのような違いがあるのか、なぜ違うのか、さらになぜ家事・介護分野に集中してるのか、問題点は何かなど、移民の出身国、仲介する多様なアクター、支援団体、そして移民女性への聞き取り調査から明らかにしようと試みています。
送り出し国での介護の研修(フィリピン)
ヨーロッパにおける少数言語地域の文化運動(主にコルシカ)
フランスはフランス語を公用語としていますが、公用語にする過程で多くの地域言語は話すことが許されない時代があり、継承が難しくなってる言語もあります。コルシカは、18世紀にジェノヴァ共和国からフランス・ブルボン朝へ割譲された地中海の島で、イタリア語に近い言語が使用されいます。コルシカ語がどのように創造されたのか、そして継承されたのはなぜか、1960年代からの地域主義運動とのかかわりで研究しています。
ヤギが道路を横断し、車は待つばかり。
授業紹介
授業名:コラボラティブ・ワークス 移民が生きる街と「ともに生きる」活動
静岡県は外国人が多い都道府県の1つですが、昔からというより、1990年代以降に多くなった地域です。外国人が住むようになって半世紀以上がたとうとしてますが、自分の身近にいるでしょうか。もし、「見えない」のであれば、なぜ不可視化されているのでしょうか。地域における多文化共生は、してあげるのではなく、あくまでも支援を必要とする人とのかかわりの中で関係を築きながら、じっくりとともに作り上げるという出発点に立つ必要があります。このCWでは多様な出自を持つ移民とかかわり、ともに組織を作ってきた人や団体の方々を訪ね、その関係の形成の仕方、課題の解決の仕方、組織の維持の仕方、地方自治体との関わり方を学び、その知見を活かして地域課題の解決策について取り組もうとする授業です。頭の中でこんな人たちかなと勝手に想像するのではなく、メディアからの情報でなく、実際に会って、人と人として対話する中から多文化共生のヒントを得てほしいと思っています。
受験生へのメッセージ
いろんな人に出会って、自分の可能性を広げよう
大学時代は自由な時間がたくさんあり、また学校と家という2つの社会だけでなく、日本や世界の各地から来た人、サークルの人、アルバイトの人、留学すれば留学先で出会う人、個性豊かな教員など多様な人と出会う機会が多くなります。その中で、自分の興味があることやもっと知りたいことなど受験前までに想像もしなかった可能性を見つけることができます。ぜひ、積極的に動いて、体験して、新しい自分を見つけてください。