研究紹介
木材を分解する腐朽菌の中でも、細胞壁中の難分解性物質であるリグニンを分解・除去できるのは白色腐朽菌だけであり、シイタケやヒラタケがその仲間です。ごく最近には一部の白色腐朽菌が好気的に水素を生産していることが発見され、生産経路も推定されました。水素は燃焼しても水にしかならないことから、次世代エネルギーとして注目されています。しかしながらその生産方法は確立されておらず、環境への負担が少なく低コストな製造方法が求められています。このような問題の解決に貢献するために、白色腐朽菌における水素生産に関わる酵素の同定と生産メカニズムの解明を進め、実用化に資する菌を作出することを目標とした研究に取り組んでいます。
受験生へのメッセージ
「生物」としてのきのこが面白く研究を続けてきましたが、「地球規模の環境問題」を解決する能力を秘めていることにとても驚いています。みなさんも本学部で、自分の興味を追求するのみならず、広い視野を養い社会にどう還元できるかを学ぶ場所にしてください。