水谷 洋一

Mizutani Yoichi

生命圏循環共生学コース

環境経済学・環境政策

静岡大学教員DB

研究紹介

キーワード:地球温暖化対策、エネルギー政策、地域環境政策

市場経済では、企業や家計などの経済主体は、便益(利益、効用、所得など)を得るために私有する資源(生産設備、食料、労働力など)を自由に利用して自由に経済活動(生産、消費、労働など)を行うことが認められています(経済活動自由の原則)。ただし、自らの経済活動の「犠牲となるもの」、つまり「費用」は自ら負担しなければならないことが大前提です(費用自己負担の原則)。しかし実際には、「費用」の多くの部分が、それを負担すべき経済主体ではなく、第三者ないしは社会全体に押しつけられている状況が少なからずあります。その典型的なものが環境問題です。
これまで日本を含め多くの国では、このような状況を改善するために様々なルールづくりをしてきており、産業公害(工場公害)については、多くの国々で一定の成果をおさめてきました。現在私は、地球温暖化(気候変動)を軸に、その対策のためにどのような社会的ルールをつくったらよいのかを研究しています。静岡大学サステナビリティセンターのカーボンニュートラル推進チームのチームリーダーでもあります。

授業紹介

環境と経済

【授業の目標】
1)環境と市場経済にかかわる諸概念を的確に説明できる。
2)環境と市場経済にかかわる諸課題を多面的・論理的に考察し、その本質を理解できる。
3)自らの考察の内容と結果を文章等で効果的にまとめることができる。

【授業で取り上げるテーマ】
1)環境問題と市場経済
2)地球温暖化対策と環境税
3)再生可能エネルギー政策と固定価格買取制度
4)生物多様性と環境の経済的評価
5)CSVと経営戦略 6)持続可能な発展とSDGs

受験生へのメッセージ

環境問題の原因は人間の経済活動です。ですので、経済活動のあり方や経済の仕組みを変えなければ、環境問題の解決はできません。また、研究開発された様々な対策技術を実際に社会の中に組み込んでいく過程では、それを促進するような経済や社会の仕組みとセットで考えなければ成功しません。
生命圏循環共生学コースでは、様々な環境問題への対策技術と、その成果を効果的に社会に取り入れていくのに必要な経済や社会の仕組みの両方を同時に学ぶことができます。学問分野の違いから既存の学部では実現できなかった環境問題の多面的な学びに、ぜひ期待してください。

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