川崎 和也

Kawasaki Kazuya

国際地域共生学コース

文化人類学、オーストラリア先住民研究

静岡大学教員DB

研究紹介

オーストラリアには、アボリジニと呼ばれる先住民の人びとが暮らしています。彼らは、狩猟採集を生業としながら、豊かな精神世界、複雑な親族組織など独特な社会文化を発展させてきました。私は、アボリジニの社会文化や生活の動態についての文化人類学的な研究を行っています。これまで家族や親族関係を中心とするアボリジニの社会構造とその変化に関する研究のほか、狩猟採集や経済活動、美術工芸品などについて、フィールドワークにもとづく研究を行ってきました。

「観光」という事象を通して、地域とグローバルの関係を探求する!!

18世紀の後半以降、外部社会との接触によって、アボリジニの社会文化や生活は劇的な変化を経験してきました。近年では、交通や情報通信技術の発達もめざましく、アボリジニ社会でも人・モノ・情報などの移動がますます活発になっています。こうしたなかで、私がいま関心を寄せているのが「観光」です。2000年代になって、国内外から多くの観光客がアボリジニの村を訪れて、そこでは、アボリジニの伝統文化が「観光商品」として売買されています。アボリジニの伝統文化の観光資源化が彼らの社会文化や生活に与える影響について調査研究しながら、地域と国家、グローバル社会の関係について考えています。

授業紹介

エスニシティ論

「民族」とはなにか? 「民族」から現代社会を読み解く!!

「エスニシティ(ethnicity)」という言葉は、あまり聞き慣れない言葉かもしれません。この言葉を辞書で調べてみると、「民族性」や「民族らしさ」、「民族的帰属」とあります。まさに、この授業の大きな鍵となるのが「民族」です。私たちの暮らしは「民族」と切っても切れない関係にあります。世界を見渡してみると、さまざまな国や地域で民族紛争や民族問題が勃発しています。街に出かけてみると、韓国料理やインド料理などのエスニック・フードを扱う店が軒を連ねています。また、雑誌をひらけば、どこかの民族の伝統衣装をモチーフにしたファッションが紹介されていたりします。この授業では、民族紛争や民族問題、観光やファッションなどの具体的な事例を題材としながら、「民族」についての理解を深めるとともに、私たちが生きる現代社会を読み解いてゆきます。

受験生へのメッセージ

自分の学生時代を振り返ってみると、もっと広い視野を持って、いろいろなことに興味関心をもって勉強をしておけばよかったと思うことがあります。グローバル共創科学部は、そんな学びができる学部だと思います。知的好奇心をもって、いろいろなことにチャレンジしながら、グローバル共創科学部で一緒に学びましょう。

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