堀池 徳祐

Horiike Tokumasa

生命圏循環共生学コース

分子進化学・情報生物学

静岡大学教員DB

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研究紹介

近年、DNAの塩基配列決定技術の進歩とともに、様々な生物の遺伝子配列情報が利用できるようになってきました。当研究室では、大量遺伝子情報を活用し、情報解析によって生物の進化系統や多様化メカニズムを明らかにする方法を開発しています。現在取り組んでいる研究は、①系統解析において問題を引き起こす「長枝誘引」の発生メカニズムの解明と解消法の開発、②系統解析のためのタンパク質データセット作成法の開発、③網羅的な収斂タンパク質検出プログラムの開発と新規収斂タンパク質の発見、④遺伝子の進化現象である「ドメインシャッフリング」が環境適応に及ぼす影響の解明、⑤種特異的に存在する遺伝子の起源解明、⑥DNA情報を用いたカンキツ品種の系譜の解明 などです。
以下に、 ③の研究の一例として、「ハエトリソウとフクロユキノシタにおける収斂タンパク質の検出とその機能推定」の研究概要について示します。この2種(写真参照)は離れた系統で食虫植物に進化しましたが、食虫植物として必要な機能を獲得した過程は分かっていませんでした。そこで、これら2種が持つ全てのタンパク質を調べたところ、複数の食虫に関連する機能を持つタンパク質が収斂(似たアミノ酸配列に変化)してきたことが明らかになりました。このことから、もともと食虫と関係ない機能を持っていたタンパク質が進化して、独立に食虫の機能を持つようになったことが示唆されました。

授業紹介

遺伝と進化

現在、地球上には3千万種とも4千万種ともいわれる多様な生物が様々な環境で生息しています。
これらの生物は全て共通した祖先を持ち、長い時間をかけて環境に適応しながら種分岐を重ねて進化してきました。本講義では生物の普遍性を保つメカニズムとしての「遺伝」と環境に柔軟に適応するメカニズムとしての「進化」について分子生物学をベースに解説します。

受験生へのメッセージ

皆さんは大学で何を学びたいですか?グローバル共創科学部にはさまざまな分野の専門家がいて、自分の興味を拡げたり、深めたりするにはとても良い場所です。楽しみながら大いに学びましょう。お待ちしています。

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