青木 憲治

Aoki Kenji

生命圏循環共生学コース

複合材料科学、高分子化学

静岡大学教員DB

研究紹介


脱炭素社会の実現には、エネルギー、材料、システム等様々な分野でイノベーティブな技術開発が必須です。当研究室では、材料分野でイノベーションを興すべく、セルロースとプラスチックとを混ぜ合わせた「セルロース系複合材料」の開発を行っています。
草木は地球上に豊富に存在し、光合成によって二酸化炭素(CO2)を吸収し、酸素(O2)を排出します。吸収した炭素(C)は葉を茂らせたり、幹を太くするために使われます(炭素固定)。よって、燃やしても光合成で固定した炭素がCO2にもどるだけなので、大気中のCO2濃度を上昇させることはありません。つまりカーボンニュートラルな材料です。草木の主成分であるセルロースを自動車や家電製品の材料として使えるようになれば、プラスチックの削減につながり、ひいては石油、石炭等の化石燃料の消費を抑えられます。「木を切って、余すことなく使い、植える」このサイクルが実現できれば、森が化石燃料に代わる資源となり、脱化石燃料のシンボリックな「森林コンビナート」が形成されると思っています。
しかし、自動車や家電製品に使われるようにするためには、乗り越えなければならない技術課題が多いのも事実です。近い将来、セルロースを使った材料が身の回りで当たり前に使われる社会をつくることで、社会に貢献することが私のミッションだと思っています。

授業紹介

資源循環化学

材料分野で環境問題解決に貢献するためには、先ず、身の回りの製品が何で作られているか、なぜその材料が使われているのか、その材料を使う必要があるか(環境にやさしい材料に置き換えられないか)といった知識と興味を持っていただくことが必要だと思っております。また、工学的な知識だけでなく、サーキュラーエコノミー、バイオエコノミー等、環境と経済の両面から何がより良いかを考える力を養っていただきたいという目的で企画しました。

受験生へのメッセージ

化学会社で約16年勤務してきた経験から、「良いモノをつくれば売れる」というのは研究者のエゴであり、「売れたから(みんなに使ってもらえるから)良いモノ」という考えが身に染みております。一緒に「売れるもの」をつくりませんか?
受験勉強頑張ってください。待ってます。

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