2025年度「中日青少年友好交流計画」訪中プログラムに本学部学生2名が参加しました

 中日間の人的交流と相互理解の促進を目的として、中国教育国際交流協会(https://en.ceaie.edu.cn/)は「中日青少年友好交流計画」2025 年度事業の一環として、日本の大学生(大学院生を含む)を対象に訪中プログラム実施参加者を募集していました。そして、本プログラムの実施に協力している浙江大学は、2025年6月4日、靜岡県、浙江大学、靜岡大学及び静岡県立大学の4者が大学発スタートアップの交流、育成等に関する覚書が調印されたことを踏まえて(https://www.shizuoka.ac.jp/news/detail.html?CN=10989)、協定校向けの特別枠を設けました。
 これを受け、静岡大学グローバル共創科学部からは、2名の学生が応募し、北京、杭州への考察を経て帰国し、下記感想を述べられています。

1.グローバル共創科学部3年 加藤 聡大さん

 以前シンガポールやマレーシアに訪れたことがあるが、その時は人々や文化が大きく異なっていたため、異文化の体験という印象を受けた。しかしながら今回の中国での渡航では、人々や文化、植生まで日本と似ている部分が多く、扇子などのお土産までも存在していたため、知識ではなく実体験として、日本の源流なのだということを学ぶことが出来た。このように似ている部分がありながらも、食事など生活の部分、建物などで異なる部分もあったため、生き別れの兄弟という印象を受けた。
 今回主な滞在地であった浙江省については、最先端の技術が集う側面と、貴重な遺跡が多数存在する歴史的な側面との両方を併せ持つ都市というイメージを持った。その中でも杭州市は、文化、人々、技術の集積地という印象を受け、まだまだ発展の途中という説明が信じられなかった。古い遺跡について、日本で技術が集まっている東京では、建物の新陳代謝が激しく古いものが残りにくいため、なぜ浙江省ではこのような古い歴史的に価値のあるものが残ったまま発展を遂げたのか疑問に思った。
 中国の人、物価については、日本にいる時に想像していたものと大きく異なっていた。例えば日本で得られる情報とは異なり、今回関わった人々はいい人ばかりで、多くの人がとても積極的な印象だった。また物価について、物価そのものは想像通り安かったものの、そもそも職に就ける人が少なく、就けたとしても多くの人々の賃金は高くないとの説明にとても驚いた。嗜好品の値段は日本よりもとても高かったため、生きていくのには困らないものの贅沢は難しい仕組みになっていると感じた。前述の積極的な人々が競争に勝ち高い賃金を得ることができ、その競争でリタイアしてしまった人が安い賃金での労働に従事する、ある意味とても合理的な階層社会になっているとの印象を受けた。

2.グローバル共創科学部2年 原 ゆいなさん

 私は、この中国訪問が初めての海外渡航だった。渡航前は治安などについて少し不安があったが、実際に現地にいると、治安が悪いと感じる場面はなく、とても安心して楽しい訪問ができた。

 まず現地で印象に残ったのは、中国の文化だ。中国の浙江省では夜市に出向き、様々な食べ物やアクセサリーなどが売られているのを観光した。夜市は毎日開かれているらしく、屋台がずらりと並んで、大変多くの人でにぎわっていた。食べ歩きをしている人も多かったが、中国ではごみ箱が多く設置されていたため、道がごみであふれるという光景を見ることはなかった。私は夜市で初めて蓮の実を食べた。蓮の実が食べ物として売られているということにまず驚いたし、貴重な体験だった。

 また、公園や街の広場では、朝から太極拳や社交ダンスをしたり、楽器の演奏に合わせて歌を歌ったりする人たちを多く見かけた。そうかと思えばベンチで本を読み自分の時間を過ごしている人もいて、日本ではあまり見られない光景に、街の活気を感じた。中国の食事はとてもおいしく、海沿いの地域の料理は海鮮物が多く、米がとれる地域では米粉を使った料理が出るなど、それぞれの地域の個性が出たものばかりだった。

 杭州の世界遺産である西湖の観光西湖は古くから有名な観光名所で、昔の日本からも一目見ようと訪れた人が多くいた。中国文化が日本文化の源流となったということが感じられ、湖と山が一体化したような絶景だった。
 他にも、博物館見学や会社訪問、良渚遺跡を回ったり万里の長城に登ったり、中国の大学生と交流したりなど、七日間とは思えないほど充実した訪中だった。これを機に、中国の文化についていろいろ学び、中国の人たちがどんな暮らしをしているのか、理解を深めたいと思った。

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