産業副産物を活用した炭素隔離の干潟造成:石炭灰と鉄鋼スラグの持続可能な活用

私の研究テーマはこんな感じです
海の中でも、光合成植物が生息する干潟や浅場は、炭素隔離密度が最も高い地域です。日本国内では、海の生態系を再生する一環として、人工干潟が多数造成されています。しかし、これまでに作られたすべての人工干潟に動植物がうまく定着したとは言えません。その原因の一つとして、栄養分が不足する「貧栄養化」現象が挙げられます。産業副産物である石炭灰や鉄鋼スラグは、多量のミネラルを供給するだけでなく、水中の栄養塩を吸着して、地盤の貧栄養化問題を低減します。干潟造成を作る材料により、どのような動植物が定着するかに影響を与えます。この研究分野を発展させ、生態系の再生を通じて温室効果ガスの削減に貢献したいと考えています。
こんなこと知りたい、話し合いたい、教えてほしい!
身の回りで、処理が困難な副産物や廃棄物があれば教えてください。また、それがどのようにリサイクルされているかについての情報も共有していただけると幸いです!
これが私の得意技です! このことなら私に聞いて~
地球規模の炭素循環における干潟の役割とは?干潟での炭素隔離メカニズムや産業副産物の活用事例について、情報を提供することができます。
“産業副産物を活用した炭素隔離の干潟造成:石炭灰と鉄鋼スラグの持続可能な活用” に対して11件のコメントがあります。
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産業副産物である石炭灰や鉄鋼スラグを使うことの利点は多そうですが,逆に自然環境で使う上でリスクはありますか?
材料によって地盤の環境(粒径や硬さなど)が決まり、それに伴い定着可能な生態系が変化する可能性があります。そのため、材料工学、水質学、生物学など、さまざまな分野の専門家が協力することが必要です。
近年、里地里山に竹が侵入し、放置竹林となることが問題となっています。ボランティア団体が竹を伐採しようとする活動を行っていますが、切った竹は全く活用されず山に捨てられます。有効活用できる様なような研究に期待します。
情報共有ありがとうございます。実際に、竹粉を干潟の再生に活用する研究事例があります。竹粉にはさまざまな菌類が生息しており、泥と混ぜることで有機物の分解が促進されると言われています。
炭素隔離密度って何ですか?
同じ広さの土の中に、どれだけたくさんの炭素を含んでいるかを表します。
産業副産物の良い活用は社会の持続性を高めるよい影響を与えることでしょう!
「干潟造成を作る素材によりどのような植物が定着するか」決まっていくのがとても興味深い!!地元の三重がある干潟にはカニがたくさん生息しているので何が要因でカニが定着するようになったのか気になりました!
カニのような甲殻類は、基本的にきれいな水と空気がよく通る土地を必要とします!
人工干潟の造成や動植物定着にもコスト(CO2)がかかると想像しますが、産業副産物の活用によってそれが抑えられるのだろうなと思いました。干潟造成の他にも温室効果ガスの削減には様々な方法論があると思いますが、それらのコストパフォーマンスを比較評価するような手法はあるのでしょうか?
干潟の費用に対するCO2削減効果を評価する上で、最も大きな要因は、材料を現場まで運搬する際に発生するCO2と、施工時に重機が排出するCO2の量です。干潟の造成に多くのCO2が発生する場合、干潟をあえて作らない方が、結果的にCO2削減に寄与する可能性があります。