日本酒系統樹 あなたのお気に入り銘柄に近いものはどれ?

私の研究テーマはこんな感じです
私の専門は分子進化学と情報生物学です。ゲノム情報を用いて遺伝子の進化や生物多様化の分子メカニズムを明らかにするための研究を行っています。実は、これらの研究で使われる手法の中にはサイエンスとは関係ない分野に適用できるものがあります。ここでは、普段は生物進化の研究を行っている学生が面白半分で作成した「日本酒系統樹」の研究をご紹介します。日本酒の味を構成する要素として、精米歩合、酒米の品種、甘辛度、日本酒度、などがありますが、それらの情報をもとに系統樹を作成できます。ご自分の好みの銘柄と近いものを探してみてはいかがでしょうか。
こんなこと知りたい、話し合いたい、教えてほしい!
この手法はいろいろな対象に適用できます。これをやったら面白そう、というネタがありましたら、ぜひお知らせください。
これが私の得意技です! このことなら私に聞いて~
系統樹構築に関しては、文理関係なく適用可能です。ご興味がある方はご相談ください。 もちろん、分子系統解析や遺伝子進化、ゲノム情報解析に関する共同研究も歓迎です。
“日本酒系統樹 あなたのお気に入り銘柄に近いものはどれ?” に対して21件のコメントがあります。
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重要な情報提供をありがとうございます。このように階層性を持つ分類手法は,少なくとも私の研究領域では個体を何クラスタに分類するかにのみ重きが置かれがちで,その系統性(系統樹のつながり,クラスタ間の関連)についてはほとんど解釈の対象となりません。分子生物学・情報生物学ではそうした系統性の面からも検討が行われるのか教えて欲しいです。
分子生物学・情報生物学の分野では、DNAやタンパク質の配列データに基づく系統樹を用いて、生物間の進化的な距離や関係を明らかにすることが目的です。系統樹の枝の構造やクラスタ間の位置関係(系統関係)は、種や遺伝子の共通祖先を推測し、進化の過程や分岐を理解するために重要であるためです。例えば、系統樹上で近くに位置する生物や遺伝子は、共通の機能や相同性の高い配列を持つ可能性が高いと考えられます。また、こうした系統関係を数理的に分析することで、進化的プロセスや遺伝子ファミリーの進化をモデル化し、予測を行うこともあります。
これらの理由から、生物学や進化を考慮する分野では、クラスタ数だけでなく、それらがどのように繋がり、どのような系統関係を持っているのかが解析の中心になっていると思います。
この系統樹は遺伝子を元にしたものではなく,「精米歩合、酒米の品種、甘辛度、日本酒度」で作成したのですか? これは原料や酵母などの遺伝的系統と何らかの相関を示すのですか?
この系統樹は、都道府県・精米歩合・アルコール度数・日本酒度・酸度・アミノ酸度・甘辛度・使用酒米・酵母のデータを基に作成しています。現時点で詳細な検討はしていませんが、この分類は酵母や酒米の遺伝的系統とは直接の相関は示していないと考えられます。
日本酒はなぜ世界的に高い評価を受けているのか、化学的にわかるとほかの分野にも生かせれないか、旨み・甘み・コク・バランス・飲みやすさ、色々知りたい。
きき酒AIを作って下さい。
出来たらすごく面白いですね!! でも、同時にすごく難しいと感じています。
食には正解がないと思っています。つまり、何をおいしいと感じるかは個人の自由であり、人それぞれの好みが尊重されるべきだと考えます。そのため、「これにはこれが合うよ」とAIが過度に提案することで、食の楽しみや自由が失われてしまうかもしれません。AIの役割としては、圧倒的に不向きな組み合わせを避ける程度のアドバイスに留め、ユーザーの好みや選択を尊重する形が理想だと考えています。
日本酒の美味しさを楽しむための最初の一歩を後押しする、という様な唎き酒AIが作れたらいいですね
階層的クラスタ分析はどのように使われるのでしょうか?
まだお酒は飲めないけれど、お酒にこれだけ興味を持って熱心に研究する人がいるのは素敵だと思い、私も興味がわいてきました。
非常に興味がある研究です。頑張ってください。
図の各階層での分け方がわからなかったので、どのように分類したのか教えてほしいです。
今回の階層的クラスタリングは、Ward法を使用して行いました。クラスタ数は事前に指定せず、クラスタ間の距離(または不一致度)を基に自動的に分けました。
デンドログラムでは、縦軸にクラスタ間の距離が示され、データ間の類似度に応じて順次結合される様子が描かれています。色分けは、クラスタ間の関係を視覚的に区別するために自動的に割り振られたもので、特にクラスタ数や色分けを重視せず、ざっくりとした類似関係を確認することを目的にしています。
静岡県の日本酒を一躍有名にしたのが、故河村伝兵衛氏が開発した静岡酵母であるといわれています。酵母による味の変化ってどれくらい研究されているんでしょうか?
日本酒系統樹の縦軸の説明がありません。縦軸の情報を知りたいです。
申し訳ございません。記載不備がありました。
縦軸の値は、クラスタが結合される際の距離(類似度)です。一般的に、数値が小さいほどデータが互いに類似しており、数値が大きいほど異なるクラスタであることを意味します。
ゲノム情報?
日本酒系統樹を作るにあたって、何のゲノムを情報としたのか?
また、系統樹の色分けにはどのような意味があるのか教えてください。
日本酒の系統樹を作成するにあたり、使用したデータは、都道府県・地域・精米歩合・アルコール度数・日本酒度・酸度・アミノ酸度・甘辛度・使用米・酵母です。これらのデータを基に距離データを作成し、銘柄間の距離が近いものから順にクラスタを形成しました。そのため、酒米や酵母のゲノムデータは使用していません。
系統樹の色分けについては、クラスタ間の関係を視覚的に区別しやすくするために自動的に割り振られたもので、特に色に意味はありません。今回の目的は、日本酒同士のざっくりとした類似関係を確認することなので、色分け自体に深い意味は持たせていません。
とても興味深いなと思いました。
他の飲み物や食べ物に関しても取り組んでもらえたらおもしろそうだと思います。(チョコレートとか、コーヒーとか、お茶とか)
自分の好きなものを研究しているのが伝わってきて、すごくすてきだと思いました。
できれば説明者がいてほしかった。
情報不足なので、論文としては不備?
日本酒の利き酒の時と、食に合う合わないを予想できるための方法は?